2012年から顧問としてお世話になっている都内のマンションで大規模修繕工事を実施しました。
このマンションは、戸数は6戸と小規模ですが、専有部分の床面積は200㎡以上、立地もすぐ近くに各国の大使館等がある都内の一等地で、いわゆるヴィンテージマンションです。

戸数が少なく理事も少数なので、いかにして効率よく大規模修繕工事を実施するかを検討した結果、今回は専門工事会社に責任施工方式で発注することにしました。
基本的な仕様は、理事会、管理会社、重松マンション管理士事務所で協議して決めたうえ、複数の工事会社に見積りを依頼しました。

設計事務所による監理が行われないので、施工をきちんと誠実に行ってくれる工事会社を選定する必要がありますが、今回は大手ではなく、管理会社の意見も参考にして面接した中堅の専門会社の中から1社を選定して依頼することにしました。

このマンションの一番の特徴は、外壁に高級な「インド砂岩」のタイルを使用していることです。
もともと海外からの輸入品らしいのですが、国内で製造している会社が見つからず、貼り替えができないので洗浄等できれいにすることにしましたが、このタイルは汚れが付きやすく落としにくい素材だったので、工事は結構たいへんでした。

それでも、試行錯誤してくださった工事会社の努力で、なんとか風格を維持したままきれいになりました。
以下に、工事の状況等をご紹介しますのでご覧ください。

工事の様子

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外壁は高級感あふれる仕上げですが、汚れが結構目立っていました。 温水による高圧洗浄と部分的な塗装を施してこんなにきれいになりました。
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部分的にみるともっとよくわかりますよ。
施工前!
施工後!
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タイルが割れている部分です。
タイルの貼り替えの場合、普通は窯単位(8,000枚~10,000枚)で焼くのですが、このマンションの場合は小規模なのでそんなに必要ありません。
市販品の似たタイルを探したのですが、たまたま色味が近いタイルが見つかりませんでした。
工事会社の提案で「クローンタイル」を注文して別途焼いてもらうことにしました。
このタイルは、現物のタイル(見本)に合わせて特殊な技術で製作するタイルです。
1枚当たりの単価は高いのですが、少数の場合は窯で焼くよりも費用が安く上がります。
また、仕上りを見て頂ければ分かるように貼り換えた場所がほとんどわからないくらい精度が高いタイルです。
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排水管は鉄製なので、ペンキの塗り直しを実施します。 ピカピカになりました。
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ベランダの床もタイル仕上げとなっていますが、結構汚れがひどいので洗浄の他、表面には特殊塗装を施しました。 施工後の状況を見てください!
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工事会社、管理会社との打ち合わせ風景
みんないつになく真面目な顔です。
完成!
銅板で葺いた屋根の錆(緑青)がやや目立ちますが、これはこれでまた風格を感じます。

投稿者プロフィール

重松 秀士
重松 秀士重松マンション管理士事務所 所長
プロナーズ理事(開発担当・監査人兼務)
マンション管理士、管理業務主任者、宅地建物取引主任者、ファイナンシャルプランナー、再開発プランナー、二級建築士、二級建築施工管理技士、建築設備検査資格者、甲種防火管理者、甲種危険物取扱者。
大手タイヤメーカー勤務を経て、平成15年2月マンション管理士として独立。財団法人マンション管理センターで嘱託社員として「マンションみらいネット」の立ち上げや「標準管理規約」第22条に対応する「開口部細則」の制定に従事。現在は約40件の管理組合と顧問契約を結びながら継続的な管理組合運営のサポートを行いつつ、大規模修繕工事や給排水管更新工事、管理コストの削減、管理費等の滞納、管理規約の改正等の個別コンサルティングを実施している。