最高評価の「S」ランクは1割強-。一般社団法人マンション管理業協会(管理協)は3月30日、来年4月のスタートを予定する「マンション管理適正化評価制度」(仮称)における等級評価の仮評価結果を公表した。全国合計では5段階評価で2番目の評価となる。「A」ランクが最も多く、全体の5割強を占めた。Sランク評価を受けたマンションのうち、6割以上は築20年以下だった。

調査は昨年4月~12月、管理協会員社が業務受託する管理組合を対象に実施。会員142社が回答した。昨年4月時点における会員の全受託棟数11万8386棟中7万107棟が回答した。このうちエラーデータ、複合用途型の全体共用部分等を除いた有効数6万3969棟を集計対象にした。

5段階の等級評価のうち最高評価となるS評価は6714棟。全体の10.50%に当たる(グラフ①参照〔ここでは省略〕)。最も多かったのはAランクで3万4921棟。54.59%と過半数を占めた。最低評価のDランクは303棟。0.47%にとどまっっている。

各ランクを築年代で区分するとSランクは「2001年~2010年」が31.80%で最多(グラフ②参照〔ここでは省略〕)。「2011年以降」が30.65%で続き、築20年以下が6割以上を占める結果となった。築年代が上がるほど全体に占める割合は低くなっている。

Dランクは、反対に築年代が上がるほど割合が高くなる。「1979年以前」が占める割合は30.36%、「1980年~1990年」が57.79%に上り築30年超が全体の9割近くに達している(グラフ③参照〔ここでは省略〕)。

集計結果は表参照〔ここでは省略〕。

三大都市圏は東京・神奈川・千葉・埼玉を首都圏、大阪・京都・兵庫を近畿圏、愛知を中京圏としている。

三大都市圏の5万765棟とその他地域の1万3204棟では、評価結果の傾向にさほど違いは見られなかった。

 

「マンション管理適正評価制度」における管理状況の評価は、改正マンション管理適正化法で創設が規定された「管理計画認定制度」の認定基準をカバーする方針で制度設計が進められている。

同制度の評価項目と昨年8月に公表された管理計画認定制度の認定基準素案では、長期修繕計画の見直し期間など複数の項目で違いが生じていたが、3月に公表された認定基準案は見直し期間等が修正され、評価項目との一致が図られた。

両制度の主な相違点・基準素案からの一致項目を上表〔ここでは省略〕に示した。

管理協は「国の認定基準との齟齬が生じないように適正評価制度の評価項目を修正していく予定」としている。

以上、マンション管理新聞第1167号より。

 

5年前に既に先行して、制度化している我が(一社)日本マンション管理士会連合会が主催する「マンション管理適正化診断サービス」は業界内で大変な高評価を得ており、当該国の「管理計画制度」の認定基準はほぼカバーしていますが、齟齬が生じないように一部修整を予定しているとのこと。

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投稿者プロフィール

福井 英樹
福井 英樹福井英樹マンション管理総合事務所 代表
マンション管理士(国家資格)・宅地建物取引士(国家資格)・区分所有管理士(マンション管理業協会認定資格で、管理業務主任者の上位資格)・マンション維持修繕技術者(マンション管理業協会認定資格)・管理業務主任者(国家資格)資格者で、奈良県初、大阪府堺市初かつ唯一のプロナーズ認定者