お世話になっているマンションでは、2008年に災害時の緊急時対策として、受水槽を改良して非常時の飲料水を確保するための工事を行いました。
私のブログでもご紹介しましたのでご覧になった方もいらっしゃると思います。
この工事を実施したときには、法的な問題は特に意識していなかったのですが、最近になって情報やご意見をいただきました。
その内容は、各戸の水道メーターを通る前の水(受水槽内の水)は、水道局に所有権があり、それを取り出して利用することは「盗水」や「窃盗」の犯罪にあたるのではないかというものでした。
いわれてみれば、緊急時とはいえ確かにそのような解釈なるのでは、、、と思ったので管轄の水道局に相談に行ってきました。
相談した結果は

  1. 以前は、受水槽の水を勝手に流用することは禁止されていた。
  2. しかし、平成25年4月に水道法の一部が改正され、震災等の緊急時には使用してもよいこととなった。
  3. 但し、その旨の届出が必要なことと、緊急時に使用した場合は「使用届」を提出する必要がある。

というものでした。

以上の指摘を受けたので、届出書を提出することにしましたが、届出書には図面等も添付する必要がありますので、やはり専門業者等に依頼するほうがよいと思います。
ちなみに、年に1回は受水槽の清掃を行うことが義務付けられていますが、その時には受水槽内の水をいったん抜いて実施することになります。
これに関して水道局に確認したら、その場合は清掃業者が、破棄した水の代金をきちんと支払っているとのことでした。
最終的には、管理組合が発注する受水槽清掃工事代金に含まれているのだろうと思いましたが、今までは気が付きませんでした。
ちなみに千葉市に提出した誓約書のサンプルをご紹介します。
2008年に工事を行ったときは、この誓約書に書かれている基準を満たしていない項目もありましたので、改善することにしました。

投稿者プロフィール

重松 秀士
重松 秀士重松マンション管理士事務所 所長
プロナーズ理事(開発担当・監査人兼務)
マンション管理士、管理業務主任者、宅地建物取引主任者、ファイナンシャルプランナー、再開発プランナー、二級建築士、二級建築施工管理技士、建築設備検査資格者、甲種防火管理者、甲種危険物取扱者。
大手タイヤメーカー勤務を経て、平成15年2月マンション管理士として独立。財団法人マンション管理センターで嘱託社員として「マンションみらいネット」の立ち上げや「標準管理規約」第22条に対応する「開口部細則」の制定に従事。現在は約40件の管理組合と顧問契約を結びながら継続的な管理組合運営のサポートを行いつつ、大規模修繕工事や給排水管更新工事、管理コストの削減、管理費等の滞納、管理規約の改正等の個別コンサルティングを実施している。