平成27年10月23日(金)マンションの新たな管理ルールに関する検討会2-1.総会の議決権割合、敷地の持分割合に対する考え方について 2-2.管理費、修繕積立金の設定の考え方について
を題材に有志による上記「新たな管理ルール」に対する第5回目の大阪府マンション管理士会有志勉強会に参加。
関西の超高層マンションの複数の管理組合に関与する今回担当講師の実体験に基づく事例研究を中心に当該ルールの問題点等を議論しました。
同氏が顧問をされている50階建てマンションの最上階の住戸価格が数億円、1階の住戸の価格が3、4000万円という約十倍の価格差がある。他の超高層マンションでも大なり小なり同じような価格差があるという。
分譲時、高層階の面積を大きくとり、眺望を売り物にし、床面積当たりの販売価格を高額にしているため、高層階と低層階では数倍の差で販売価格が設定され、同じ建物内で貧富の差が生じ、居住環境としては好ましくなく、その中での合意形成は極めて困難な状況である。
また、ある高層マンションの総会等では、議案に反対するものはなく、すべて、しゃんしゃんと審議が進むという。
低層階の区分所有者は高層階区分所有者の意見には、異議申し立ては絶対しない。なぜなら、反対すると、格好が悪く、肩身が狭い思いになるからだそうです。貧富差を象徴しています。
そんな中、「新たな管理ルールで検討会議」で、新たに建てられるマンションの議決権割合について、価値基準(専有部分の眺望、日照等)をによる議決権割合の提案がなされ、波紋を呼んでいます。
当該案によると、特に大規模修繕工事の決定や、建替え等を実施する場合、マンションの建替え前の専有部分の価値等を考慮して建替え後の再建マンションの専有部分を配分する場合における合意形成の円滑化が期待できるというもの。
しかしながら、管理費や修繕積立金の改定、大規模修繕工事の実施等の総会時の議決権は価値割合による高層階の有利な議決権で決まってしまい、また、費用負担は従来通りの面積当たりになると、議決権と負担割合に不公平感が生じてしまい、合意形成が難しくなるということも考えられます。
高層階は投機目的の区分所有者が多く、非居住区分所有者により、管理費や大規模修繕工事等が決定し、実際の費用負担は居住者に多くかかってしまうことがあるのではないか。。。
とはいうものの、発表されている案の字面だけを一方的に判断し議論しただけで、当該ルール検討会議のメンバーの先生方との直接議論をしたわけではありませんので、言わば、欠席裁判で、判断することはできません。
一般によく言われますが、出来上がった作品の批評家には誰でもなることができます。ただ通り一遍読んで判断するのはいかがなものか。
前にも述べましたが、少なくとも、当代一流の先駆者あるいは先生方が作り上げられた当該案の行間を深く読み込む必要があるのではないか。先生方との直接ディベートは不可能なのですから。物理的にも能力的にも。。。
投稿者プロフィール
- マンション管理士(国家資格)・宅地建物取引士(国家資格)・区分所有管理士(マンション管理業協会認定資格で、管理業務主任者の上位資格)・マンション維持修繕技術者(マンション管理業協会認定資格)・管理業務主任者(国家資格)資格者で、奈良県初、大阪府堺市初かつ唯一のプロナーズ認定者
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