(一社)日本マンション管理士会連合会加盟 (一社)大阪府マンション管理士会定例会勉強会にリーダーとして登壇しました。
題材案件4件のうち、一件を紹介させていただきます。
題材:理事会でいきなり理事長職を解任された現理事から相談を受けた前理事長からの相談案件。
「私は理事長職を解職するにも総会決議が必要だと思いますが、マンション管理士として法に基づいたご意見をお聞かせください。」
小職の助言案:
「役員互選の規定は、理事長という役職の選任は理事会決議で行うという意味であり、いったん選任された役員を理事会決議で解任することは予定されていないものと解される。したがって、一審原告の役職を理事長から単なる理事に変更することを内容とする理事会決議は無効であり、これと一体としてなされた新理事長の選任の決議も無効である。」と判じされました。(平成28年10月 4日判例)
従いまして、理事長におやめいただくには、総会で理事の地位も含めて、解任するしかないということです。
しかしながら、最高裁の判断が出るまで、当面、小職ら、マンション管理士等専門家は下記の判断に従います。
①マンション管理のバイブルともいわれている「コンメンタール マンション標準管理規約」評論社刊P175に「理事長が理由なく理事会開催を拒否した場合等は、理事長は理事の互選により選任したのであるから(35条3項)、理事の過半数以上の賛成により理事長職を解任できるものと解する。もちろん、理事の地位の解任は出来ない。以下略」とあり、
②同バイブルといわれる「コンメンタール 区分所有法」評論社刊P150~P151でも「マンション標準管理規約で定める理事または理事長(同規約〔単棟型〕35条)の役職の解任については、それらの選任に準ずるものと解され、理事長職の解任については、理事会の決議で行うことができるが、一般の「理事」および理事長たる「理事」の解任については集会の決議によるものと解される。以下略」とあります。
従来まで、上記二つのバイブルのコメントを拠りどころとして、判断していたのですが、
今後に関しては、無用な論争を避けるため規約に選任規定だけでなく、解任規定についても明記しておくこともお勧めしています。
規約改正のための特別決議が必要となります。
投稿者プロフィール
- マンション管理士(国家資格)・宅地建物取引士(国家資格)・区分所有管理士(マンション管理業協会認定資格で、管理業務主任者の上位資格)・マンション維持修繕技術者(マンション管理業協会認定資格)・管理業務主任者(国家資格)資格者で、奈良県初、大阪府堺市初かつ唯一のプロナーズ認定者
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