1月27日、東京・恵比寿のマンション(築42年)で1階玄関の庇が落下し作業を行っていた男性2人が下敷きになり、1人が死亡する事故があった。2人は庇の劣化作業を行っていた。
関係者によれば、この庇は劣化が進んでおり管理会社が危険性を指摘。指摘を受けた管理組合が東京都内のマンション改修専門業者に診断を依頼し、事故当日3人で作業を実施していた。報道によれば庇は鉄製。1階正面玄関上に設置されており、縦約3メートル、横約2.4メートル、厚さ約30センチだった。
関係者の話では、庇の重さは約300キログラム。この日現場を訪れた作業員が庇の天井部分を取り外そうとした際、庇ごと落下。2人が下敷きになった。
事故についてマンション管理に詳しい香川希理弁護士は「庇の劣化を知った上で作業を行っている以上、業者側に責任があると考えられる」とする。
一方、マンション改修業者は「庇が落下するというのは考えにくい。経年劣化もあるだろうが、もともと施工不良があり、事故の原因としては施工不良の方が可能性は高いのでは」と推測する。
手軽に行われる調査・診断だが、現場での作業には危険が伴う。高所作業には規制があるが、診断に特化した横断的な作業安全マニュアルなどは存在しないのが実情だ。
以上、マンション管理新聞第1129号より。
投稿者プロフィール
- マンション管理士(国家資格)・宅地建物取引士(国家資格)・区分所有管理士(マンション管理業協会認定資格で、管理業務主任者の上位資格)・マンション維持修繕技術者(マンション管理業協会認定資格)・管理業務主任者(国家資格)資格者で、奈良県初、大阪府堺市初かつ唯一のプロナーズ認定者
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