大規模災害の損壊マンション~8割の同意で解体に~

法制審議会(法相の諮問機関)の部会は29日、大規模災害で損壊したマンションについて区分所有者の5分の4以上の同意があれば解体や敷地の売却ができるとする要綱案を決めた。法務省は被災マンション法も改正法案を通常国会に提出する方針。従来は民法が適用され所有者全員の同意が必要で、東日本大震災の被災地で生活再建が遅れる弊害が指摘されていた。要綱案では、被災地で家や土地を借りている人の保護を定めた「罹災都市借地借家臨時処理法」も見直される予定である(朝日新聞1月30日)                                                *この法律の改正により、大規模一部滅失建物を対象に、管理組合は一旦取り壊して敷地売却または再建する選択肢と、買手がいれば取り壊さず、そのまま売却できる選択肢が用意されることになり、東日本大震災により被災した宮城のマンションと同様なケースが起った場合での法基盤も整備されることになります。

続きを読む
標準管理規約改正の動き(「コミュニティ形成」削除問題)を牽制~管理協・理事長が賀詞交歓会で本末転倒と挨拶~

(社)高層住宅管理業協会(管理協。主要管理会社が加盟)は1月16日、都内のホテルで、太田昭宏国交大臣以下政府関係者などを招き賀詞交換を開催した。その冒頭挨拶において、山根理事長はマンションという居住形態において健全なコミュニティ形成が大きく関わっていることを挙げて、現在国交省で進められている標準管理規約見直し作業含めた検討会において「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成」についての規定を見直そうとする動きが有る点に触れ、重大な危機感をにじませる発言を行った。これに対し太田大臣も自身の選挙区でマンションの防災訓練に参加した経験を披露しコミュニティの大切さも痛感したと呼応、マンションの耐震化支援を重要な政策課題に挙げた上で、コミュニティ形成の重要性であるとの考えを示した。(マンション管理新聞1月25日)                                                          *この標準管理規約からコミュニティ形成の文言削除の検討に対しては、管理組合で構成する団体、マンション管理士会で構成する団体などから強い反対意見も出ており、また東日本大震災後の防災対策を進められる中、その重要性についての意識が高まる動きに逆行すると受け取るマンションの管理組合の関係者も多いため今後の成り行きが気になるところです。

続きを読む
東京・豊島区が管理条例制定へ

豊島区は、適切な管理運営を促そうと、「マンション管理推進条例」の制定に行った。その内容として、管理規約や総会・理事会議事録の作成・保管・閲覧、設計図書・修繕履歴や長期修繕計画の作成、町会加入の義務化なども含まれている。管理組合に対し、管理状況の届け出も義務付けており、未提出や条例の規定に適合しない組合に対しては、指導・要請・勧告の上、マンション名の公表する罰則も設けた。(マンション管理新聞、12月25日付)                                 国土交通省の「マンション適正化指針(2001年)」の中にも、地方公共団体のマンションの管理の適正化の為の情報提供、ネットワークの整備など記載されていますが、条例として制定したのは初めてのことであり、今後他の地方公共団体への波及も注目されます。

続きを読む