認定者ブログ
タイル外壁補修で、色合い質感再現 アカタイル(本社愛知県常滑市、赤井裕仁社長) 福井英樹マンション管理士・維持修繕技術者
タイル張りマンションの補修で最も厄介なのが、元のタイルとの色合わせ。管理組合から色違いの指摘を受けて張り直しを余儀なくされたケースも少なくないと思います。
メーカーに新築時の現物タイルが保存されておれば問題ないが、タイルメーカーや窯元は中国製や新建材の普及で激減しており、新規製造による色合わせは困難を極めているのは周知の事実。
そんな中、老舗タイルメーカーのアカタイルは既に廃番になっていたり、メーカー不明で入手が困難なタイルをこれまで培った技術と経験を基に色合い、質感を限りなく既存に合うように再現させている。しかも一枚からの受注がオーケー。
発注者は復元、補修したいタイル壁面の写真とタイル単体の写真を送付する。同社で復元可能かどうかを判定する。可能となれば、実際のタイルを送付する。3週間程度で見本焼きが届き、オーケーとなれば同社に発注する。納期は約1ヶ月半。工場と直接取引するので最小限の経費で済みます。モザイクタイルから、300角の大形タイルまで、壁、床を問わずに多種多様な形状、面状、質感のタイルに対応できる。他のタイル業者で「できません!」と断られたタイルも一度同社に相談してみる価値はありそうですね。
タイルの色・つや・質感というのもはマンションの歴史そのものであるだけに、現状のタイルの風合いや景観を残したいとの管理組合からの要望も多い。
「復元屋」ともいわれている同社へのタイル張りマンション管理組合からの期待は大きい。マン管新聞第921号より。
シェアハウストラブル管理組合の仮処分申請却下 10・24東京地裁 福井英樹区分所有管理士・マンション管理士
マンションの一室をシェアハウスとして使うのは共同利益に反する行為だとして、東京都港区の管理組合が、住戸所有者の不動産業者を相手にシェアハウスとしての住戸使用禁止を求める仮処分を申請していた事件で東京高裁は10月24日、申請を却下する決定。
鈴木雄輔裁判長は「シェアハウス」化発覚後に行われた管理規約変更は区分所有法31条の「特別の影響に」に該当し、無効だと判断。
管理規約や建築基準法の違反についても「共同の利益に反するということはできない」と結論付けた。「1世帯が使用する場合と比べて、居住者の数が若干増加するというものにすぎない」として、居住者の判別が困難になるとは認めがたい、と述べている。
ただ、より多くの住戸がシェアハウス化され、1室に多数の居住者が入居するようなケースでは判断が変わる可能性もある。
つまり、決定では規約の有効性については、シェアハウスの居住者が最大で7人にとどまる点を考慮した面がある。不特定多数の出入りや、1室の居住人数がもっと多いと「共同の利益違反」と認められやすいのではと管理組合代理人弁護士は話している。管理組合側は即時抗告はしない考えだ。マン管新聞第922号より。
機械式立体駐車場での事故に注意!
今年の4月に大阪府で、運転者が機械式立体駐車場のパレットを地下から上昇させていたところ、
このパレットに乗り移ろうとした運転者の3歳になるお子さんが転倒し、パレットと梁の間に身体を挟ま
れて死亡する事故が発生してる。また7月には岩手県石巻市でも、運転者が機械式立体駐車場に
自動車を入れた際に運転者の4歳になるお子さんが機械に挟まれて死亡する事故が発生しており、
それ以外にも次のような事故が発生している。
・駐車場内に、先に自動車を入庫した利用者がいる状態で、次の人が操作したため、
先の利用者がパレットと機械装置の間に挟まれて大けがを負った。
・運転者は駐車場へ自動車を入庫しいったん駐車場外に出たが、自動車内の荷物を取りに
再び駐車場内に入った。これに操作者が気付かずに作動させたたため、運転者が頭部を
挟まれて死亡した。
・操作者は、運転者が駐車場内から出たことを確認したものの、同乗者が駐車場内にいる事に
気付かず作動させたため、同乗者がパレットと床の間に挟まれて打撲を負った。
・駐車場の利用者が駐車装置を自ら操作して、駐車場ゲートを上昇させていたところ、運転者の
お子さん(3歳)がゲートに付属するチェーンに指を挟まれ切断した。
・利用者のお子さん(1歳)が駐車場内にいることに気付かずに利用者が駐車装置の扉を閉め
操作を行ったため、頭部を挟まれて死亡した。
2007年以降のマンションなどの機械式立体駐車場の事故で、24人が死傷していることが
今月7日の国土交通省のまとめでわかっており、このような事故が相次ぐ可能性がある。
これを受けて国土交通省は、有識者等の検討委員会を開いて法整備も含めた安全対策の検討を
始めたようである。来年の3月ぐらいには指針がまとまる予定。
駐車場の構造基準や安全対策は駐車場法で規定されているが、時間貸しパーキングなどの公共
利用の駐車場が対象となっている。そのため国土交通省は駐車場法を改正し、マンション敷地内
などの立体駐車場も対象に含めることも検討するようである。
≪ 機械式立体駐車場での事故防止のための注意点 ≫
● 機械式立体駐車場で自動車を入出庫する際は、運転者以外は駐車場内に入らない。
● 自動車の中に人が残っている場合もあることから、駐車装置を操作する際には、機械式
立体駐車場の中に人がいないことを十分確認した上で操作する。
● 駐車装置の操作中は装置から離れず、また、子供が駐車場内に近づかないように注意する。
● 駐車装置の操作ボタンを器具などで固定し押し続けた状態にすることは絶対に行わない。
参考資料:ちらしおよび公益社団法人立体駐車場工業会の安全強化対策
ホームページリニューアル
平成25年11月3日付で、マンション管理士前島事務所のホームページをリニューアルしました。 より見やすいホームページへとリニューアルし、今後もタイムリーに情報発信をしていきますので、今まで以上のご支援をお願いします。
コミュニティー条項不可欠 10・19日管理協・全管連・マンション学会・日管連シンポジウム共同提言 福井英樹区分所有管理士・マンション管理士
(一社)日本マンション管理士会連合会大阪府会の判例研究会でも標準管理規約第27条十に以下の具体の付則をつけたことを以前の当該ニュース欄でお知らせいたしました。「管理組合は、当該マンション内自治会並びに周辺地域自治会への参加は個人参加とし、管理費からは充当できないものとする。但し、管理組合として当該マンション内自治会並びに周辺自治会への参画が、居住者の社会生活のコミュニティー形成に寄与し、委託する業務の対価、監査方法に蓋然性が認められる場合は、この限りでない。」として、コミュニティー条項が不可欠であることを明記しています。
当該シンポジウムで鎌野邦樹日本マンション学会副会長は「私的自治の尊重として管理組合が自由に考えられるものの、押し付けるものでもない」と述べ一定の制約を伴う活動の意義を認めている。
わが判例研究会の提案規約は手前みそではありますが、同提言を先取りし、ほぼ的を得たものと思われます。
マンション管理基礎セミナー(入間市開催)で講演します
こんにちは川崎・横浜のマンション管理士 横倉啓子です。 紅葉が深まる11月16日(土)に主催:埼玉県マンション居住支援ネットワーク、埼玉県、入間市、狭山市、公益財団法人マンション管理センター マンション管理基礎セミナー […]
「“タワーマンション”の大規模修繕工事の見学会」に行ってきました!
台風一過の澄み切った空の下、先週末、町田市の管理組合の団体(町田市分譲マンション管理組合ネットワーク:略称:町管ネット)が主催するイベントに行ってきました。午前(第一部)・午後(説明・見学会)に亘る長丁場でしたが、それぞれ大盛況で有意義なマンション関係者間(約20名)での交換・学びの場でありました。第一部は、「マンション大規模修繕工事についての経験交流会」として、私も首都圏マンション管理士会に属するマンション管理士の立場で参加しました。これから初回の大規模修繕を迎える方も多くおられ、事前準備、パートナー選定(設計コンサル、施工会社等)、管理組合の大規模修繕への合意形成、修繕積立金不足、長期修繕計画の活用方法などについて、会員、会員以外の組合員の皆様のひじょうに活発な意見・疑問に対して私からも参考意見・アドバイスをさせていただきました。町管ネットの役員の方のファシリテータ役の進行、まとめ方も素晴らしく、参加された方々も他の管理組合の方の経験などからも多くの気づき・ヒントが得られた様子でした。 そして昼食後の第二部の「大規模修繕工事の見学会」は、町管ネットの会員のご厚意による居住する超高層マンション(30F)での実施でした。展望集会室にて、検討開始からの経過を説明(理事長・修繕委員長)、改修設計、施工概要・方法の説明(各会社)を経てから、屋上に上っての設計コンサル、施工会社の方からの工事中現場(当日は休業)での状況説明(ゴンドラ設置、屋上防水等)に始まり、5階外廻りや1階外構廻り(外壁等)へと、高層マンション特有の大規模修繕工事の実際を分かり易い説明で、見学に参加された方々は参考になったと満足げなご様子でした。私も高層マンションの屋上からの澄みきった秋空の大パノラマには大変満足いたしました(笑) “百聞は一見に如かず”として、大規模修繕のご経験のない方は、機会があれば、ぜひ見学されることをお薦めします!
区分所有者の父親が横領、本人に連帯責任を追及 弁護士が事例報告 第16回全国マンション問題研究会 続編
第16回全国マンション問題研究会が9月28日・29日、北海道函館市の函館弁護士会会館で開かれた。当日は、弁護士12人が11事例を報告、検討を行った。うち、奈良のマンションで区分所有者の親族が管理組合のお金を横領した場合の連帯責任について前回のニュースでピックアップいたしました。その続編です。
各弁護士の考察を紹介いたします。
小倉知子弁護士 賃貸借する時に、賃借人に管理規約を守らせる制約みたいなものを出すことがあるが、Aについてはあったのか?
伏見康司弁護士 ないですね。
石川和弘弁護士 区分所有者に責任があるとは理解できないのが率直な所だ。規約上、住んでいる区分所有者の親族が理事長になれる。理事長の地位は、管理組合と理事長に就任した者の委任契約に基づく善管注意義務違反という話であって、それを丸ごと身元引き受けするみたいな発想はどこからくるのか。居住者として迷惑を掛ける行為について責任を負うのは分かるが、なぜ理事長としての職務執行について与えた損害を区分所有者が責任を負うのか。
伏見康司弁護士 宮崎地裁も規約で「管理共有物の管理に関して共同の利益に反する行為をしてはならない義務」がはっきり定められている。ただ判決は特にそれを意識して書いている風ではない。共用部分であっても守らせる義務があることがきめられているうえでの判断で、A自身の委任契約というところから連帯責任にいけるのかは不安がある。ただ区分所有者が知らない間に電気を盗んでいたような話なので故意・過失がないような事案で、履行補助者の理論を適用しているので素直に当てはめれば、適用されて良いのかなと考えている。
石川和弘弁護士 委任契約に基づいて理事長としての職務についての履行補助者だと認められるとすれば、理事長のほうが報告をお求められれば区分所有者の方に報告しなければならないとか、そういう関係がないと履行補助者というの言いづらい。
鎌野邦樹・早大法科大学院教授 手掛かりは規約17条をどう見るか。どうやらこの趣旨は、基本的には区分所有者が輪番制などで相互に理事等の負担をして管理を行うが、いろいろな都合で区分所有者が理事等を出来ない場合があるだろう、ということで特別に配偶者、区分所有者の1親等の内の者まで理事として認めようというもの。仮に、そういう立場に立つと、本来は区分所有者の責務だということ。そういった意味では規約17条・34条2項の規定などを用いて、管理組合の規範として特別に連帯責任を負うという定めを設けているんだという考え方に立てば、裁判官を説得できるかなという感じがする。他方、民法418条(過失相殺)で、裁判所が損害賠償の責任およびその額を定めるときの管理組合の過失はかなり大きいと思うので、そういう判断がなされると予想される。
<コメント>
Aは「履行補助者」に当たり、区分所有者Bは、Aの故意・過失による義務違反について損害賠償責任を負うという主張を追加しようと検討している。比較的参考になる判例として、昨年11月12日の宮崎地裁判決があった。
区分所有者と同居する賃借人Yが、区分所有法6条1項または規約の定めに違反して、共同棟の電気を自室に引き込んだ旨を主張して、管理組合がYに民法415条に基づく損害賠償を求めた事案で、区分所有者に故意・過失がなくて、専有部分でない箇所についての不法行為的な事案なので、ちょっと近いのではと考えている。
管理規約には、管理共有物の使用に関して共同の利益に反する行為をしてはならない、所有する住宅に居住する者に組合の目的に反する行為をさせてはならない旨の規定があった。
宮崎地裁は、履行補助者の理論を認め、「賃借人やその同居人も、同部分を使用収益する以上は、区分所有者の義務の履行を補助する関係にあると見ることができる」とした。
そして、「区分所有者は、その所有分を賃貸して収益を得ている以上、賃借人ないしその同居人が他の区分所有者(組合人)に対して、損害を被らせた場合に、自らに故意過失がない限りこれを賠償する責任を負わないと解するのは妥当ではない」と判断した。
宮崎地裁は、規約行為違反に基づく連帯責任は認めたが、区分所有法6条1項の共同行為違反については、履行補助者の理論を適用することはできないと判断している。
当該マンションの管理規約
第17条(管理費等の管理)
1項 区分所有者より支払われた管理費等は、管理者ならびにその指示する者が「善良な管理者の注意』をもってこの管理に当たる。
第6章 使用上の注意
第34条(同居家族・代理占有者の使用)
1項 区分所有者は、その同居家族およびその専有部分を貸与等により第三者に占有させる場合には代理占有者に、本規約およびこれに付属する使用細則などによる使用上の制約を遵守させる義務を負う。
2項 区分所有者は、その同居家族または代理占有者の行為について、管理者または他の区分所有者等から苦情の申し出がある場合には、区分所有者の責任において処理解決する。また、その同居家族または代理占有者が本規約および使用細則などの定めに違反して、他の区分所有者等に損害を与えた場合には、連帯して損害賠償の責任を負わなければならない。
管理組合規則
第17条(役員の選出)
1項 集会の決議により理事長を置く。また現に本マンションに居住する区分所有者、その配偶者、および区分所有者の1親等以内のうちから、集会で理事および監事を選任する。
第21条(役員の誠実職務執行義務)
役人は法令・管理規約および本規則などの付帯規則ならびに集会・理事会の議決を遵守し、管理組合および組合員全体のために誠実にその職務を執行する義務を行う。
マン管新聞第920号より。
東京都が駐車場設置基準を見直し
昨今マンションでの空き駐車場が問題になっているが、東京都が大規模マンションなどの建設時に
義務付けている駐車場の設置台数を減らすことを決めたようで、今後都民から意見を募集して、
その意見等を勘案して都条例も改正を行う予定である。
東京都は昨年の10月に、附置義務駐車場の利用状況について実態調査を行っており、
その結果、駐車場の設置台数に対する利用率は、マンションで最大75%、事務所ビル等では
最大70%で、最近の若者の“車離れ”もあって、需要と供給のバランスの悪さが浮き彫りになった。
この結果を踏まえて東京都は、今後建設するマンションについては、床面積300㎡ごとに1台であった
設置基準を350㎡ごとに1台へ緩和するようである。またビルについても、床面積に面積調整率を
乗じたうえで設置基準を設定しているが、この調整率も1~0.5を1~0.4に変更し、20%以上の
緩和を行う。
現状では新築マンションでの見直しであるが、既存のマンションについても、利用状況に応じて
見直し後の算定基準が適用されて、設置義務台数が低減できるようになるようで、今後駐車場から
倉庫や駐輪場などへの転用が可能になるため、少しは空き駐車場問題の解決策になればと思う。
詳細はこちら ☞ 【建築物の建築に伴う駐車場設置基準の見直しの考え方】