「長年の懸案事項だった管理規約の改正が、マンション管理士の起用で短期間に解決しました。」
管理規約の改正のためにマンション管理士を起用された管理組合理事長さんを訪問して、プロナーズ編集部がインタビューを行いました。
Q1:管理規約の改正が必要だと感じたきっかけはどんなことからですか?
A:私たちのマンションは、従来から管理組合の自主性を重んじ、自分たちでできることは、できる限り自分たちでやりながら管理をしてきました。建物や設備については築20年以上を経過していますが、日頃から必要な修繕等を行いきちんと維持できています。しかし、長期間にわたって管理規約が改正されておらず、新設、改正された現行法規との齟齬がでたり、現実的なマンション運営にそぐわない管理規約や使用細則となっている部分もありました。
そこで、2003年に国土交通省からマンションの管理規約のモデルとして「マンション標準管理規約」が公表されたことをきっかけに、管理規約を改正し更に管理の質を向上させようと思いました。
Q2:なぜ、専門家を起用しようと考えたのですか?
A:国土交通省のモデルもあるし、当初は自分たちで可能だと考えていました。とりあえず「専門委員会」を立ち上げて実施しようと考えたのですが、難しそうな感じがしたのでしょうか、委員の希望者が集まりませんでした。仕方ないので理事会主体で実施しましたが、専門的な知識が不足しているので、標準管理規約の条文解釈において理事の意見が分かれたり、自分達のマンションに合わせた規定にアレンジしようとしても理事の意見がまとまらなかったりしました。
結局時間ばかりかかり、このままでは何時までたっても管理規約の改正はできないと思いました。そこで管理会社に相談したら、管理組合から依頼を受けて管理規約の改正作業のお手伝いをずいぶんこなしているマンション管理士を紹介してくれました。面談の結果、信頼できそうなので理事会で検討してお願いすることにしました。
Q3:専門家を起用した結果はどうでしたか?
A:規約改正の議案は予定されている通常総会で決議したかったのですが、逆算すると事前説明会の実施まで3ヶ月の猶予しかありませんでした。
しかし、マンション管理士は短期間で資料を作成し、現行の管理規約の問題点と改正ポイントを私たちにも分かるように説明してくれました。精力的に理事会にも出席して逐条解説等のアドバイスも実施してくれました。私たち担当理事も月2回のペースで集中して作業や議論を行ない、何とか当初の予定通りに総会に間に合う目途がつきました。理事全員に対する事前説明会を開催し、予定通り通常総会で新しい「管理規約」と「使用細則」を決議することができました。
Q4:マンション管理士に支払った報酬額は?
A:マンション管理士に支払った報酬は35万円(税別)でした。サポート期間は約3ヶ月間です。年末年始が絡み、理事会も大変忙しい時期でしたが、集中的にサポートしてくれたほか、資料の作成や権利関係の調査も実施してくれました。
長年の懸案事項が短期間で解決したことを考えれば、支払った報酬は極めて安いものだと思いました。
又、今回の規約改正をきっかけに私たち管理組合も、関連する法律の勉強ができたり、みんなで議論してルールの再確認をしたり、やっているうちにだんだん楽しくなり、理事会の結束も強くなりました。このことはとてもよかったと思います。
(マンション概要)
戸数 100戸
場所 千葉県市川市
竣工 1976年